CTとは、Computed Tomographyの略です。
コンピュータを利用してデータを取得し画像の再構成で、断層写真を得ることができる装置で、一般には医科や口腔外科領域で用いられており、一般の歯科診療所で導入する事はほとんどありませんでした。
歯科用CTとは、近年開発された歯科に特化したCT装置で、コーンビーム方式を用いているためコーンビームCTとも言われています。
CTを撮ると言われると、病院で撮影するような、ベットに寝て、周りを大きな機械が動き、時間がかかる・・・というようなイメージをお持ちだと思います。
デンタルCTではコーンビーム方式を採用しているため、椅子に座っていただいて、頭の周りを機械が一周するだけ(撮影時間15秒)で撮影が終了します。
医科用に比べて、歯科の分野の場合は特にミクロンレベルでの情報を必要とします。そのため、インプラントのオペ時に病院にCT撮影を依頼しても、歯科の分野においては満足のいくレベルの高い空間分解機能は得られませんでした。
従来のレントゲンでは、口腔内を平面のデジタルX線写真で診断をしていましたので、顎の骨の高さは把握できても骨の幅までは正確に把握できませんでした。
平面から立体(3D画像)で口腔内を見ることができるので、そこから得られる正確な情報により、患者さまに対して、適切に治療内容を説明することができます。
CT撮影を行うことにより、治療内容を視覚的に理解することができ、安全に、安心して、納得したうえで、治療を受けることができます。
顎の内部構造(骨の高さ・厚みや神経管の位置)や埋伏歯と周囲の歯や神経管との立体的位置関係を容易に確認することができ、より正確で効率よく安全に処置が行えます。また、上顎洞(鼻の奥にある空洞)の形や粘膜の状態、のう胞(病巣)まで発見することもできます。
根管治療では、従来は治療してみないとわからなかったことが、事前に病巣を立体的に確認でき、無駄のないスピーディーな治療が行えます。
CT撮影画像によって、従来のデジタルX線写真では識別できなかった骨の状態や神経、血管の位置を術前に把握することができます。そのため、いままであきらめていた部位へのインプラント植立を可能にし、患者様にあらゆる治療の可能性をご提案できるようになりました。
必ずしもすべての患者様にCT撮影が必要とは限りませんが、より正確で安全なインプラント治療を行うためにはCT撮影による術前診断をすることをお勧めします。
当院でインプラント治療を受けられる患者様は、無料でCT撮影させて頂いております。
■短い撮影時間
CTの撮影は、服を着たまま立って撮影を行ない、横にはなりません。また、撮影装置のせまい空間に頭を入れるという事もありません。撮影時間は約17秒で終了いたします。このわずか17秒で撮影できることにより、高解像度で、なおかつ正確な画像を得ることが可能なのです。従来20分以上かかっていたデータ処理時間が1分30秒で可能になりました。
■撮影領域
全顎を1枚で撮影できます。そのデータから任意方向からのCTの断面画像を得ることができ、また立体画像としても表示することが可能です。
■被爆線量
一般的にCTは、医科の分野で用いられています。CTが開発されたのは1970年代初頭ですが、近年著しい進歩を遂げて、ヘリカルスキャンCTの登場、そして、マルチスライスCTが現在活躍しています。
しかし、歯科の分野での治療のためにX線診断を行なうには、ミクロンレベルでの情報を必要としますから、残念ながら医科の分野で最先端のCTといえども、歯科の分野では満足のいく高い空間分解能は得られませんでした。
歯科用CTとは、コーンビーム方式のスキャンを行なう事で、短時間のX線照射により撮影を行うため、ゆがみの少ない、そして繊細な画像を自由に断面で観察する事ができるCTです。このように、医科用CTでは解決できない問題を高い次元で満足でき、もちろん歯科の臨床にも多くの情報を提供することのできるのが歯科専用CTなのです。
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